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2024年9月の研磨ダイヤモンド価格の減少ペースが鈍化

2024年10月17日

2024年9月の研磨ダイヤモンド価格の減少ペースが鈍化

2024年9月、研磨ダイヤモンドの価格は前月に比べてわずかな減少を記録しました。9月の価格は0.96%の減少を示しており、8月の1.36%や7月の3.12%(2024年最大の減少幅)に比べて減少ペースが鈍化していることが確認されました。これにより、価格の安定化が近づいている可能性が示唆されています。

中国市場の動向とインドの生産低下

ダイヤモンド市場において、世界第2位の市場である中国では、国家による「目立つ消費主義」への反対や不動産危機が需要を抑制しています。そのため、期待されていたポストコロナによる消費の回復が未だ実現していません。

一方、インドでは、生産が月を追うごとに減少しており、この生産低下が価格の安定に少なからず寄与していると考えられます。興味深いことに、インドは現在、研磨ダイヤモンドの輸出よりも、スマートフォンの輸出で米国から得る収益が多くなっています。

供給の減少と人工ダイヤモンドの影響

2024年のグローバルな原石生産は、ロシアへの制裁の影響やデビアスの販売の停滞により、3分の1の減少が見込まれています。また、ラボグロウンダイヤモンド(人工ダイヤモンド)の価格も依然として急落しており、需要は増加しているが供給過多がその背景にあります。

2024年のダイヤモンド価格の推移

2024年のダイヤモンド価格は、毎月平均-1.24%の減少を記録しており、最も小さい減少幅は1月の-0.27%、2月の-0.30%でした。特に8月には、価格が2004年7月以来初めて20年前の水準を下回るという事態となっています。価格は2022年初頭にピークを迎え、その後は下落傾向が続いています。

9月の月間および年間の価格変動

9月の月間価格は、8月と比較して2.2%の下落となり、8月の-1.9%、7月の-3.1%の下落と比べるとやや穏やかな減少幅でした。2024年で唯一の価格上昇は1月のわずかな上昇にとどまり、その他の月はすべて価格が下落しています。

年間ベースでも価格は2022年12月以降毎月下落しており、2023年10月以降、その下落ペースが鈍化していることがわかります。2024年9月の年間ベースの価格変動は、-12.2%で、ここ2年間で最も小さい月次下落となりました。

サイズ別の価格変動

2024年9月、ダイヤモンドの1.50カラット以下の価格下落は8月よりやや大きく、2.00~4.00カラットの価格下落は8月よりも小さめでした。特に4.00カラットのダイヤモンドは8月に0.1%の微増を見せた後、9月には0.9%の減少となりました。

年間ベースでは、4.00カラットのダイヤモンドが最も大きな下落を記録し、前年比-17.4%の減少となっています。3.00カラット以下のダイヤモンドは、-8.6%~-13.7%の範囲で下落しています。

総括

2024年9月の研磨ダイヤモンド市場は、依然として低迷が続いているものの、価格の安定化の兆しも見えつつあります。生産の減少や市場の変動に注視しながら、今後の動向を見守ることが重要です。

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